

教師であれば、

こう考える人は多いと思います。
効率的に英語を学習していくためには、英語を読んだり聞いたりするインプットが必要不可欠です。
今回は英語を習得するために必要な、効率的なインプットを理論も含めて解説していきます。

参考文献はこちら
言語習得には、インプットの量と質が大切!
そもそもなぜ英語の習得にはインプットが必要なの?
英語の習得(言語習得)になぜインプットが必要なのか。これを知ることで、どんなインプットが必要なのかがわかります。
インプットが必要な理由は以下の3つです。
インプットが必要な3つの理由
・インプットから習得が始まる
・インプットによって知らない文法に気付ける。
・頭の中に英語回路を作れる。
インプットから(英語の)習得が始まる
当たり前のことですが、なんのインプットもしなければ、なんの学びも生まれません。
インプットがあればこそ、知らない単語や文法、言い回しなどにであることができ、学ぶことができます。
知らない単語や表現に出会い、気づくことで、理解が生まれ、学習するチャンスが生まれます。
インプットによって知らない文法に気付ける。
例えば、初対面の人とたまたま仲良くなり、話が弾んだ状況をイメージしてください。
「what do you do?」
こう言われたとき、あなたはなんと理解しますか?

このように意味を予想しますよね?
そして予想したり、他の人に同じ質問をしたりして、

と気づきます。
この気づきは「what do you do?」と聞かれたこと(インプット)から始まったものであり、そもそもこのインプットがなければこの気づきは生まれませんでした。

頭の中に英語回路を作れる。
また同じような場面で何度も同じ表現をインプットすることで、状況からその表現の意味を理解できるようになります。
例えば飲食店に食べに行った状況をイメージしてください。
『May I help you?』

最初ほんとに突然+早すぎて、何言ってるかわかりませんでした。
しかし同じ飲食店というシチュエーションで何度も、
『May I help you?』
と聞かれることで、

と英語が聞き取れなくても、場面で英語を予測することができるようになります。
インプットが何回もあると、頭の中に英語回路ができあがり、英語が場面で理解できるようになります。
英語ができるようになるまでに、必要なインプット量とは?
英語ができるようになるまでには、大量の質の高いインプットが必要になります。
『英語は聞いていれば話せるようになる!ネイティブの子どもだってそう学んでる!!』
これは半分正解、半分間違いです!
私たちは小学校5年生~大学まで、英語のインプットは、
約1200時間以下と言われているそうです。これははたして足りているのでしょうか?
ネイティブは5歳までに、
約1万7520時間の英語をインプットしています。

そうです。ネイティブと比べて、私たち日本人は圧倒的にインプット量が足りないんです。
だから効率的に英語を学んでいくためには、ネイティブと同じように学んでは効率が悪いんです。
インプット量も必要ですが、インプットの質も意識していかなければいけません。
ポイント
質の高い、大量のインプットが必要!
インプットの質を高めるために
インプットの質を高めるためには、以下の4つの方法があります。
4つの方法
・インプット強化
・インプット洪水
・インプット処理
・インタラクション
インプット強化
ただ闇雲に英語を聴いたり、読んだりしても、質の高いインプットにはなりません。
学びたい・指導したい表現や文法、単語などに注目しながら英語に触れることで、インプットの質が上がり、より効率的にその英語表現をインプットすることができます。
インプット強化の具体例
(インプット強化なし)
I went to Tokyo yesterday. I was so glad because I had never been there before then.
(インプット強化あり)
I went to Tokyo yesterday. I was so glad because I had never been there before then.
このように特定の表現を強調(強化)することでより、この表現のインプットの質を高めることができ、表現に気づけるようになります。
インプット洪水
学びたい・指導したい表現を何度も繰り返しインプットすることで、その表現に気づくことができます。
1回聞いただけではなかなか気づくことはできません。
インプット処理
ある表現を、その表現が使われる状況や場面と一緒にインプットすると、表現の形と意味が関連して理解することができて、質の高いインプットになります。
『May I help you?』と文章でポンっとでてくるより、
飲食店で、
『May I help you?』
とでてくるほうが、表現と意味がリンクして、質の高いインプットになります。
インタラクション(対話)
英語を実際に使って対話することで、インプットの質がより高まります。
相手の表現がわからないときに聴きなおすことで、その意味が理解できるようになります。
CDやyoutubeでただなんとなく聞き流すだけでは、この聞きなおしはできません。
人との対話がインプットの質を高める効果的なアクションとなります。
オススメの対話方法は、『ロール・プレイ』と『インフォメーション・ギャップ』
映画やドラマの役になりきって英語でやり取りをする『ロール・プレイ』は、臨場感のある場面での対話ができるため、インプットの質を高めることができます。
自分と相手で違う情報を持った状態で相手とやり取りする『インフォメーション・ギャップ』も有効です。
例えば、それぞれ自分の予定表を確認しながら、映画に行くなどの予定を合せる活動は、かなり良い活動になります。
インプットの量を高めるための4条件
英語を習得するためには、質の高い大量のインプットが必要です。
ここではインプット量を高めるための条件をご紹介します。
4条件
・理解可能性
・関連性
・真正性
・音声と文字のインプットのバランス
理解可能性
意味のわからない英語を読んだり聞いたりするのは、やる気のあるうちはいいですが、そのうち苦痛になり、辞めてしまいます。辞めてしまうとインプットの量は増えません。
やる気をキープするためには、自分の英語力と比べて簡単すぎず、難しすぎない英語をインプットすることが、継続につながり、インプット量を増やすことが期待できます。
関連性
興味のない話題ではなく、興味のあるテーマの英語の方が楽しく学ぶことができます。
楽しく学ぶことができれば、継続でき、定着率も上がります。
真正性
学校でたくさん英語の勉強をしたけど、いざ英語圏に行ったとき、まったく理解できなかった。
こんな経験は誰しもがあると思います。
これは英語の勉強を、英語学習用教材、つまり作られた英語を学んでいたからです。
アメリカ大統領の演説や大学の授業など、生の英語を使って学習することがとても大切になります。
音声と文字のインプットのバランス
英語の勉強をしている人の多くは英語を読んで勉強している人が圧倒的に多いです。
しかし読むだけでは、文字のインプットが多すぎるため、英語を聴くことができるようにはなりません。
読むだけではなく、英語を聴く機会を多くすることで、音声と文字のインプットのバランスを保ちましょう!
英語の勉強・指導に適したインプットの量を高める教材を紹介

初級者向け
English news and easy articles for students of English (newsinlevels.com)
細心のニュースから英語を学べるサイトです。同じ内容のトピックを語彙の難易度別にレベル1、2、3と分けて構成されているため、自分に合ったレベルを選んでニュースを読むことができます。
簡単な単語が使われているレベル1は初心者でも読みやすく、単語力強化や英文に慣れる練習にピッタリです。
English news and easy articles for students of English (newsinlevels.com)
CNN Student News - CNN
CNNスチューデントニュースは、”CNNニュースを素材として活用しながら、学習補助教材として、学生向けに作られた番組になります。学生がニュースの基礎知識や背景を学べるよう工夫されているため、学びやすくなっており、スロー再生で使えば、中高生でもなんとか理解できるレベルのものもあります。
EnglishCentral - Online English Learning
映画のワンシーンやインタビューなど、実際の英語を使って英語学習が行えます。
有名人のインタビューなど楽しみながら学ぶことができます。
インタラクティブ動画学習 | EnglishCentral - Online English Learning
上級者向け
Free eBooks | Project Gutenberg
洋書をダウンロードして読むことができるサイトです。オンラインの図書館といったところでしょうか。
Free eBooks | Project Gutenberg
TED: Ideas worth spreading
専門的な内容を学ぶことができて一石二鳥のサイトです!
MOOC.org | Massive Open Online Courses | An edX Site
大学や専門的なコースの授業をオンラインで受講できる大規模公開オンライン講座です。基本無料で登録できるため、人気が高まっているサービスです。
MOOC.org | Massive Open Online Courses | An edX Site
まとめ
ただ闇雲に英語を読んだり、聞いたりするだけでは英語ができるようになるまで時間がかかりすぎます。
英語を効率的に学ぶため、英語のインプットの質と量を気にしながら学習していきましょう。
参考文献を載せておきますので、気になる人はぜひ読んでみてください。